近いうちに将棋界で話題になると思いますが、渡辺明棋王に佐藤天彦八段が挑戦する棋王戦第4局が本日、栃木の宇都宮で行われました。
結果的には渡辺棋王が勝ちタイトル防衛となったのですが、この対局が、たいへんな大熱戦、名局でした。私もニコ生で観戦していたのですが、終盤はお茶をくみにゆくことも出来ないほどPCに釘付けでした。

特に驚きの声があがったのが111手目、先手渡辺棋王が放った勝負手▲7七桂。下図です。
これがなくもし後手の手番なら△8八銀から詰みなので渡辺棋王がどうするのか、秒読みの中指された▲7七桂に息をのみました。解説陣の先生方も、まったく予想外。

棋王戦第4局111手目


そしてさらに驚きであったのが、実際には指されなかったのですが上図では△8五金で後手勝ち。▲同桂は△8八銀から詰みです。桂を残した効果で、9六に先手玉がきたときに△8四桂と打てる。佐藤八段が対局中に気付き、終局後真っ先に「金打ってたら勝ってましたか?」と口にしたもの。その後感想戦で検証され、そのようだということになったようです。

タダのところに金を置いてそれで勝ちなんて。呆然としてしまいます。


また、この棋王戦第4局は「とちぎ将棋まつり」というイベントと同時開催されており、そちらはそちらで将棋まつり企画をニコ生中継していました。そして夕方からは棋王戦中継に合流。両方つけて視聴していたのですが、ダブル中継が熱気を増幅させとても面白く、企画サイドとしても新しいチャレンジが見事に成功しているように感じられました。