地元の不名誉なニュースが続きます。教科書選定における謝礼問題。市川市発ですか・・・

と思って調べたら、昨年の後半から地方で何件かこの問題が発覚していたんですね。今回首都圏での発覚を機に全国的に問題提起がなされたということのようです。

その後の調査では、小中学校の教科書を発行する22社のうち10社が約4000人の教員らに謝礼を渡していたとのこと。大阪や福岡などでは、当該先生たちは1〜2ヶ月の減給処分となっているようです。

金額的には3千円から5万円程度とのこと。全体としては4000人に対して3500万円だそうですので、平均すると1万円にも満たない。でも、小額だからよいということはありませんね。

悪いことです。やってはイケナイことなんですが、それを前提として敢えて。風景が目に浮かぶようです。

まず、謝礼をもらった・・・というか、押し付けられた先生のほう。
「これ、気持ちですんで。いえいえ、たいしたものではございませんので。ほんの気持ちですんで。少しですから。どうかお納めくださいまし」
と、受け取らずにすまないような状況で持たされた封筒を後で開けてみたら幾ばくかの紙幣が入っている。
「返すのも骨が折れるなぁ」
そんな感じだったでしょうね。むりやり突き返せば出版社と気まずくなってしまうし。困ったことでしょう。

また、出版社の営業社員。
きっと多くの人は、その担当職についたときには既に、それが業界で常態化してたんでしょう。

正論は、あくまで教科書の内容。良いものをつくり評価してもらうのが筋。
ですが、各社とも創意工夫して甲乙つけがたいのが実態なのでしょう。微差の中で、「強いていえば、これが使いやすそうだな」という、ほぼ感覚とか好みのレベルで決まるのではと想像します。
そんな中で、他社は選定委員の先生方に謝礼を配っている。当社も、従来そうしている。と、いうところに担当として配属されたら・・・どうします?

「それは、悪いことです。私にはできません」
「そう、じゃ、やらなくていいよ。だけど契約はとってね。営業成績落ちたらキミ、居場所なくなるからね」
そんな状況の中で、家族を抱え育ち盛りのかわいい子供たちが居たら・・・
ここをクビになったら、年齢的にまともな再就職先なんてない。子供を学校にやれなくなる・・・

お母さんや子供たちにとっては、どうなんでしょうね。
貧しくなりボクらが学校に行くお金すらなくなっても、悪いことはゼッタイにしないのが、いいお父さん?
手を汚してでも、何とか普通の暮らしをさせてくれるのが、いいお父さん?

なくなりはしない問題。永遠のテーマ。逃れられない運命に従うほかなく、何年に一度か殉教者のように罪を背負う者が出るロシアンルーレット。四六時中、胃に鉛の塊を入れたような重さを抱え怯え過ごす。妻と子供たちの笑い声だけが闇の中で輝いている。己がどうなっても、守りたい。時折激情が噴出し、ちきしょう、ちきしょうとのた打ち回る。

言い過ぎましたかね(笑)。
まぁ、まぁと、笑っているお父さんも居るでしょうか。
世の中、クソですね。