31(日)小学生名人戦の後、もののわ。にてスーさんが個人的に企画したボイチェックさんの歓送会に参加させていただきました。

ボイチェックさんはポーランドから短期来日中の普及家の方です。現在ポーランドで定期的に大会を開催するなどして将棋普及を行われています。
ほかには、上海から来日し女流棋士を目指して関東研修会でがんばっている黄さんも参加されていて、海外の将棋事情を色々と伺えて大変有意義でした。

ボイチェックさんにせよ黄さんにせよ、まず驚かされるのが日本語が上手なこと。まるで日本人と話をしているようで、全く違和感がありません。黄さんは日本語学校で勉強しているとのことですが、ボイチェックさんはインターネットで日本語に関する様々な資料を集めて独学で学ばれたとのこと。普通に考えるとそれだけでイッパイイッパイになってしまいそうですが、ほかにもご自身の専門のことや将棋など多岐にわたり学習・活動されていることを思うと、ただただ敬服するばかりです。

色々と興味深いお話を聞くことができました。

貧しく小さな国の人が経済的に豊かな日本に行きたくて日本の競技に興味を持ちがんばるというのは相撲の世界などではよくあることですが、ポーランドや中国は生活水準からしてそんなことはないはず。
実際、ボイチェックさんのお話でも、日本の暮らしに関していえば残業など労働条件が厳しいというマイナス面も広く伝わっているとのこと。日本は、誰もが住みたいとあこがれる国ではなさそうです。

驚いたことに・・・驚いてばかりですが(笑)、漫画なんだそうです。将棋を含め日本文化に興味を持つ人々は、漫画から入ってくるケースが多い。将棋漫画に限らず、様々な漫画が海外で評価されていることが日本文化へのリスペクトを生んでいる。コスプレや武道の広がりはよく知られていますが、知的好奇心の高い人々が将棋の魅力を見つけてくれているようです。

「カロリーナさんが2級になり正式に女流棋士になったら、ポーランドで話題になっていっそう将棋人口も増えるでしょうか?」
とたずねたところ、
「それをどうやってポーランドで伝えるかが課題です」
とのこと。
日本の将棋のプロの世界というのは知られていないので、それがいかに素晴らしいことであるかというのを現地の人々に伝えることもなかなか骨の折れることのようです。一例として、先日カロリーナさんが女流棋戦で初白星をあげたときの現地の若者向け有力情報サイトでの紹介のされ方が、
「日本人がつくったゲームで、ポーランド人が日本人に勝った」
という陳腐なものであったと。

一般的な理解を広めるにはまだまだ道は遠そうですが、将棋ファンたちはちゃんと日本のプロの世界のことも知っていますので、まずは将棋人口を増やすこと。
現在ポーランドでは首都ワルシャワ含め3都市を拠点に将棋普及が行われており、年一のポーランドの大会やヨーロッパ選手権に加えて、今後は将棋大会を増やしてゆく計画とのこと。これら都市間の移動はバスで5時間もかかるとのことで、将棋を指すためにその労を厭わないというのは大変な熱の入りようです。
子供を増やしたいとのことで、子供大会も設置すると。

何度も驚いていますが(笑)、この日いちばん驚いたのが、スーさんがこれに協力的なこと。
「子供大会が出来たら、応援に行きますよぉ〜」
なんて、ホントでしょうか・・・
「誰か行きたい子居ないかなぁ、ねぇ、ハラ先生」
とイキナリ振られて飛び上がりそうになった。

興味ある子はパスポートとっておいてね(笑)。

将棋大会のために海外に行くというのはやや突拍子ないですが、みなさん大学生あるいはその年齢になれば海外旅行に行く人は多いと思います。
このようなネットワークを様々な国の普及家の方々とつくっておいて、海外旅行の中で、ただの観光だけでなく現地の人と将棋を指して有意義な交流が出来るようにしておくというのは、現実的に可能だし良いことかもしれないと思いました。