今朝はすごい雨でしたね。まさにバケツをひっくり返したような落ちて来方でした。夜もまた強まっています。

タイトルを見て「やっぱそうきましたか」とおわかりの方はさすが(笑)。この時節柄にしてこの雨、この歌ですよね。核軍備への警鐘が込められているという、ボブ・ディランの「激しい雨が降る」。

ディランの難解な詞を読み解くシリーズ。1番だけですが、果敢に挑みます。直訳と解釈の二段階。

まずは直訳から:

『A Hard Rain's Gonna Fall』 (Bob Dylan)

Oh, where have you been, my blue-eyed son ?
どこへ行ってたの?青い目のぼうや
And where have you been my darling young one ?
どこへ行ってたの?かわいいぼうや
I've stumbled on the side of twelve misty mountains※1
「12の霧煙る山のそばをよろめき歩いたよ
I've walked and I've crawled on six crooked highways※2
 6つの曲がったハイウエイを歩いたり這ったりしたよ
I've stepped in the middle of seven sad forests
 7つの悲しい森の中に入っていったよ
I've been out in front of a dozen dead oceans
 1ダースの死んだ海の前に出たよ
I've been ten thousand miles in the mouth of a graveyard
 1万マイル来たらそこは墓場の入り口だったよ
And it's a hard, it's a hard, it's a hard, and it's a hard
It's a hard rain's a-gonna fall.※3
 そして降りそうなんだ
 激しい、激しい、激しい、激しい雨が 」


さて次に、※123について説明:

※1「stumble」は通常「つまずき歩く」の意味だが、「ひょんなことで出会う・わかる」という意味もある。
※2「crook」は通常「曲がる」の意味だが、「嘘つき」の意味もある。
※3「It's a hard rain's a-gonna fall」は、
「It's a hard rain」+「Hard rain is going to fall」かと思っていましたが、
「It's a hard rain what is going to fall」ともとれるかもしれないと気づきました。


最後に上記を踏まえて、詞の解釈:


『激しい雨が降る』 (ボブ・ディラン)

どこへ行ってたの?青い目のぼうや
 (憂鬱な目をして、どうしたの?ぼうや)
どこへ行ってたの?かわいいぼうや
 (いやなことがあったの?かわいいぼうや)
「12の霧煙る山のそばをよろめき歩いたよ
  (たくさんの怪しいことに気づいたんだ)
 6つの曲がったハイウエイを歩いたり這ったりしたよ
  (嘘つきたちの言っていることを読み解いたんだ)
 7つの悲しい森の中に入っていったよ
  (悲しみのなかに迷い込んじゃった)
 1ダースの死んだ海の前に出たよ
  (涙で景色が濡れて見えるよ)
 1万マイル来たらそこは墓場の入り口だったよ
  (挙句の果てにわかったんだ やつらは人を殺す気だ)
 そして降りそうなんだ
 激しい、激しい、激しい、激しい雨が
  (落ちてくるよ
   残忍な、残忍な、残忍な、残忍な爆弾が)
 」