2月1日は日本中が悲しみに暮れた日となってしまいました。

後藤健二さんの素晴らしい功績や人柄、生還への祈りがネット上に溢れることが事態を良い方に向かわせるのか疑問を感じたので本件には触れずにいましたが、今日はすこしだけ。

個人的には、「慎重で本当に危ないことはしない人だった」という彼を知る人たちの人物評からして、今回の行動に大いに違和感を抱きます。しかも子供が生まれたばかりというその時期に。
検問所の担当官に「大丈夫。『イスラム国』から取材許可を得ている」と語ったという。百戦錬磨の紛争地取材のプロに自信をもってそう判断させたものは何なのか。紛争地域に近いところで仕事をするジャーナリストや日本人ビジネスマンのためにも明らかになってほしいところです。

もうひとつ、1月20日に200億円という金額になってからはまともな身代金交渉ではありませんでしたが、昨年11月の10億円の段階でどのような交渉がなされたのかは検証されてほしいです。もちろん政府は公式には「身代金は払わない」という立場をとらなければなりませんが、ある程度漏れ伝わってくる情報も必要だと思います。先日キルギスの件で投稿しましたが、これまでは応じたケースがあったとされています。一般人を人質にとるような集団は世界中にありますので、「今後日本政府は金額のいかんにかかわらず建前どおり一切応じないんだ」ということになったとすれば、国民はそれをじゅうぶんに承知しなければなりません。

後藤健二さん、そして湯川遥菜さんのご冥福を祈ります。