第3回電王戦第3局、ホッとしました(笑)。対局前のアンケートでは8割の人々が豊島将之七段に勝ってほしいと答えたそうですね。見事、期待どおりの結果となりました。

終始危な気ない展開だった印象で、YSS開発者の山下宏さんも局後のインタビューで「評価値が一度もプラスにならなかったのが印象的でした」と話されていました。

具体的には、横歩取りの序盤、下図はYSSが△6二玉とあがったところ。普通は玉の位置は4一か5二。
豊島七段はほぼノータイムといっていい速さで▲3三角成。△同桂に▲2一角。評価値が一気に200から300くらい先手に傾きました。

第3回電王戦第3局


豊島七段は、週一回の研究会と対局の日以外はほとんど一日中YSSと練習将棋を指していたとのこと。「何局くらい指しましたか?」という質問に、「最後まで指さなかったのもあるので・・・」と言われていたので、きっと序盤から中盤にかけこの展開ならこう進めれば良くなる確率が高いというフローチャートが、すごく整備されていたのだと思います。受験などでも、よく準備をしている優秀な学生さんは試験前でも淡々と余裕のある表情をしていますが、豊島七段の風貌にはまさにそのような印象を受けました。

今回驚いたのが、お笑い芸人の小籔千豊さん。将棋お強いですね。また、入門者の娘さんに将棋を教える難しさをトークされていた内容が、まさに普及員的にも「そうそう」というもので、ありがたかったです。「5を6にするより0を1にするのが難しい」ですね。さすがエンタメのプロだけあって、受け手側の思考回路の考察について感覚が豊か。将棋指導員になってほしいです(笑)。

また、視聴者アンケートで有意義なデータが得られ、参考になりました。
年齢層や地域などは、スポンサー企業さんにも役に立つのではないでしょうか。以下、整理しておきます。

(第3回電王戦第3局における視聴者アンケートより)

年齢層:
12歳以下:3.2%、13−19歳:5.9%、10−34歳:52.8%、35−49歳:30.3%、50歳以上:7.8%

地域:
北海道:4.5%、東北:5.4%、関東:42.8%、中部:13.1%、近畿:15.4%、中国:4.6%、四国:2.2%、九州:6.8%、日本以外:5.1%