みなさんにも、ぜひ将棋のルールで知っておいてほしい場面がありましたので、ご紹介します。

「千日手」ルールは、知っている子も多いことでしょう。あるいは、聞いたことくらいはあるかな。
局面、持ち駒、手番、まったく同じ局面が4回現れた時点で、その対局の勝敗はナシとなり、先手後手を入れ替えて指し直しとなります。
ただし、連続した王手の千日手は、王手をかけているほうが反則負けとなります。


下図は、6月9日の文科杯西部地区予選より。新浜小1の航(わたる)くんの戦いの終盤の部分図です。

後手表示が航くん。王手のかからない局面をつくる逃げ方もできたのですが、敢えて王手をかけさせて持ち駒をなくさせたほうがよいと判断。△9三玉〜△8四玉と逃げ、先手の▲7五銀を誘いました。

連続王手の千日手


上図から、△9五玉▲8六銀△8四玉▲7五銀という千日手コースとなります。が、先手の指し手、▲8六銀と▲7五銀はいずれも王手。連続王手ですので、4回目に上図が現れた時点で後手の航くんの勝ちとなります。

対局後に控室で航くんに確認したところ、ちゃんと判って指していました。切り合いでリスクをおかすより、相手がルールを知らなければ反則勝ちにするつもりでいたようです。よく将棋のルールを知っていなければ出来ない、高等テクニックです。

相手の子も立派でした。ルールを知っていて、ちゃんと手を変えてきました。
印象に残る、本日の名場面でした。