元旦にアマゾンで注文していた「森下の矢倉」(森下卓著・1995年毎日コミュニケーションズ)が届き、宅配業者さんアッパレと喜びました。

古い本で新品は販売されておらず、中古を購入。名著と評判で、プレミアがついて高くなっています。

もぅ歳なのか棋譜や戦術書を並べても頭にナカナカ入ってこないので、せめて楽しく広げられる実戦集のようなものをと求めたもの。
これが大アタリでして、とても面白い本です。森下卓九段による矢倉の自戦記集なのですが、対局に関することだけでなく、ご自身や様々の棋士のエピソードがふんだんに盛り込まれており、棋譜を飛ばしてそこだけ読んでも楽しめるかもしれない(笑)。

実は昨年暮れのNHK杯で森下九段が羽生−山崎戦の解説をされている際に、
「才能ですねぇ〜」
としきりにこぼされていたのが、個人的に印象に残っていたのでした。考えてもワカらないときがあるのだが、そんな局面でいい手を指せるというのは才能というしかないというようなことを話されていました。
苦労されているんだなぁと、恐縮ながら親しみを感じた次第です。

私などはずっとレベルの低い話ですが、この歳になると何につけても自分の程度の低さが見えてきてしまいます。そこから、しぶとく粘って生きないといけませんね(笑)。



ちなみに、居飛車の矢倉党の子は、

級位者なら「初段に勝つ矢倉」(森下卓著・創元社)
有段者で県上位を目指すぞという意気込みの子は「現代矢倉の思想」「現代矢倉の闘い」(森下卓著・河出書房)

は、手元に置いておいておくとよいですね。進んで読み進めることが出来れば素晴らしいですが、そうでなくても辞書的に利用できると思います。