幼少時代の、忘れ得ぬ光景があります。

私が育った宮崎市は読売ジャイアンツのキャンプ地。春には紅白戦やオープン戦を見に行くのが野球少年たちの楽しみでした。

今は立派なサンマリンスタジアムが出来ていますが、当時のキャンプは市の中心部にある小ぶりの県営球場で行われていました。小さい分、まじかに選手を見ることが出来ました。

初めて見に行った紅白戦、試合が始まる前の練習風景。

ひとりの選手が、ノックを受けていました。
ひどい、ものすごくひどい、猛烈な嵐のようなノック。
至近距離から、銃弾のような打球を次から次食らっている。
どれくらいの時間だったでしょう。内野スタンドの上から、すぐ眼下にあるその光景を、青くなって見ていました。
殺人現場を目にしたほどの衝撃でした。

やがてその選手は、前のめりにうずくまってしまいました。背中の背番号「2」が、目に焼きついた。上田武司選手。
上田選手はレギュラーでなく目立つ存在ではありませんでしたが、内野はどこでも守れるスーパーサブとしてジャイアンツのV9時代を支えた存在でした。以後テレビの中継で、主力選手が何らかの状況下で退き上田選手がグラウンドに立つと、ワクワクしたものです。緊迫したゲームの中終盤にイキナリ起用されて、しかも予測不能の打球の処理に失敗は許されない世界。そのためにどれだけの準備が必要か。プロ野球ってスゴイなと思いました。


いつもスイマセンね。オヤジの昔話は、ウザイですね(笑)。
詰み局面で、考えなくても体が反応するくらいになれたらいいなと、そんなこと思っているうちに、ふと記憶がよみがえってしまったのでした。