王将戦第6局、熱戦でしたね。挑戦者の久保棋王が勝ち、タイトル奪取となりました。新王将の誕生!おめでとうございます。

日本中の将棋ファンが職場でこそこそパソコンをいじり中継サイトを覗いていたことでしょう(笑)。

次の図は58手目久保棋王が△5九金と打ったところ。

王将戦58手目


今、1時間ほど自宅でウンウン頭を抱えながら並べていまして、この△5九金がいかにスゴイ手であったかを理解しました。呆然としているところです。

下図は、上手から数手進んで65手目、先手羽生王将が▲6四角と打ったところ。後手はここで7三に合駒をしまして、先手はその合駒が何であれ▲同角成とします。△同玉に▲1三竜として、後手は5三に再び合駒をしますが、先手はこれも何でも▲同竜と取っちゃいます。

王将戦65手目


つまり、後手は7三と5三の地点で2回、駒を渡す訳です。が、この組み合わせが桂・角でも、桂・銀でも、桂・金でも、銀・角でも、銀・金でも、後手玉は詰み。唯一、銀・銀の組み合わせだけが、詰まない。これを読みきって上図58手目の場面で銀2枚を残した訳ですね。しかも次手の△6九金が詰めろ。なんということでしょう!驚嘆せずにいられません。

また、タイトルを譲ることになった羽生善治名人にも敬意を表したいと思います。シリーズを通じて、急戦の面白い戦型を選択されていました。一般の将棋ファンの私たちも、とても楽しむことができました。感謝いたします。