12日(日)15時30分〜17時30分、横浜市青少年育成センターにおいて、日本将棋連盟普及サミットが開催されました。

出席理事:米長邦雄 会長
出席棋士:武市三郎 六段
     斎田晴子 女流四段
     中村真梨花 女流二段
他、日本将棋連盟職員2名。

出席者:県連・支部関係者23名、指導員38名

プログラムは、最初の40分ほど米長会長より普及活動の状況についてのお話があり、その後質疑応答という形式でした。

以下、米長会長の話を要約:

・今日午前中、江東区の将棋大会に行ってきた。249人の参加があった。私の描く理想の形。区長が将棋に理解があり、予算がついて、区民センターを会場に使用させてくれる。ボランティア60名。景品の抽選など行い、負けても帰らないようにする。開会式と閉会式の人数を同じに。

・小学生将棋名人戦。
B/Cクラスを設けて、負けても楽しみがある、将棋を教えてくれるとか、とにかく弱い子を増やすということをやりたい。
3月最終週に予選をやってくださいとお願いしたことがあったが、もとに戻して各県連合会で都合のよいときにやってくださいということにした。
女子の参加が15%というのが平均。

・文化庁
補正予算で、6団体に5億円が出た。将棋連盟は1億円ちょっとで一番多かった。政権が変わり、伝統文化について冷たくなった。今のところ査定がゼロ。来週、私含め文化庁の人と文部科学省へ陳情に行く。次の年に復活させていただくということも大事。皆さんの声をお願いしたい。

・朝日・毎日の普及協力事業
両方の新聞社合わせ毎年1億1200万円が普及活動に出る。将棋大会へのプロ棋士派遣等。プロ棋士を4ランクに分けている。Aスター、B中堅、C、D女流棋士。ある年Aが行ったら次はBとかCとか、バランスをとっている。
プロ棋士派遣とか出版物配布とかに使用されており、税務調査が入ってもきちっとしているもの。
もうひとつ普及協力金というのがあり、これは免状収入とか、プロ棋士の存在によって生まれる収益を棋士で分けるというものだが、言葉が同じなので誤解されやすい。

・支部連合会をつくってもらいたい。現在34。47都道府県全てにつくりたい。担当棋士を派遣する。ある棋士をある県に派遣したら「この棋士はいらない」と言われ、別の県に派遣したらそこでも言われたら「お前はどこかおかしいのではないか?」とそういうことをやっていきたい。

・小中学校将棋団体戦。私が会長になって始めたもの。いちばん力を入れている。文部科学大臣杯をとるのは大変だった。30年たって、日本中の学校が全て参加するというようにしたい。

・学校教育への将棋の導入
学校へプロ棋士を派遣している。派遣するときの謝金は一律一万円。この予算も打ち切られる。新しい政権がそういう方針を打ち出した。しかし、普及協力金というものをいただいているので、そちらへまわす。将棋盤・駒・テキストを無料で提供している。
将棋を授業にとりいれてくれるというのが念願であるが、なかなか難しい。
皆様方からのご意見もお聞きしたい。

・普及指導員について
年間60人くらい増えている。現在554名。絶対数が不足している。

・アマチュア王将戦について
まだ構想なのですが、ケーブルテレビごとの予選にしたい。日本中に3百数十のケーブルテレビがある。各ケーブルTV王将を決め、その後ブロックごとに予選を行い、最後にその年のアマ王将を決めるというようにしたい。皆様方の地域のケーブルテレビの社長・あるいはその中に将棋の好きな人がいたら接近してほしい。囲碁は7年やっている。


その後の質疑応答コーナーは、出席者の手が次々と上がり、活発に発言がなされました。内容としては、「質問」というよりは、指導員の皆様の「苦労話」(笑)といった印象でした。

せっかく普及指導員の資格をとって、何か役にたちたいと学校等へアプローチするも、営業か何かと思われてシャットアウトされちゃうんですね〜。そっかぁ〜と思いました。

会場を見渡した印象なのですが、大変失礼で恐縮なのですが、かなり年齢が高いと思いました。42歳の私が、子供みたいな。

「ずいぶん前に仕事も終えて、名刺も持ってなくて」といった方がいらっしゃいました。我々の感覚ですと、名刺なんてパソコンで適当に作っちゃいますが。そんなことも、やはり難しいんだなぁ。

自分は恵まれていると思いました。子供に感謝。保護者として、地域の学校と関係をつくる苦労というのは、ありませんので。

おひとり、非常に理想的な形で学校の週一回のクラブ活動に取り入れていらっしゃる方が居ました。その方は教員でした。
地道に将棋好きの子供を育てていれば、その中には教員になる子も居るだろうし、そういったことの積み重ねが必要だなぁと思いました。

学童保育に将棋を紹介するというのは、良い方法ではないかと提案された方がいらっしゃいました。これは、私も以前このブログで触れましたが、同意。わが意を得たりで感謝。

痴呆の防止や世代間交流といった観点からの将棋導入を提案された方もいらっしゃいました。これも私ブログに書いてますね。やっぱり皆同じところに来てますね(笑)。

全般的に話題になっていたのは、とにかく教育機関に入り込むことができないという障壁に皆さん苦労されていること。米長会長も、「学校というのはガードが固い」と言われていました。

いやぁ、皆さんがんばっているなぁと、感服いたしました。ボランティアで、将棋の楽しみをどうにか伝えたいと思い立って資格をとって、会社の営業みたいな苦労を味わって。

小中学生の子供を持つ親の世代が指導員として少ないのは何故?
まず、30歳〜60歳の将棋人口が少ないと言われています。恐らく、皆さんお仕事で忙しいんですよねぇ〜。それに、子供が将棋に興味を持つとは限らないし。
また、よく考えると、その世代で将棋を続けてきて情熱を失わずにいる人たちって、普通は現役選手ですよね(笑)。子供に教えるというより、自己鍛錬に努力の方向がいきがちなのでしょう。
そんなこと、ふと思いました。

このブログにご来訪いただいている方の中には、日本将棋連盟の組織に関する話題に興味があり、プロ棋士の制度や連盟の将来について普及サミットで議論がなされたのか?と、興味を持たれている方もいらっしゃるかもしれません。
申し訳ないのですが、そのような議論はありませんでした。

私個人としましても、指導員の方々の苦労話を聞いているうちに、連盟の存続問題やプロ棋士の制度云々は、この場においてはむしろ小さな話だなと思えてきました。
どうあれ、彼らが苦労をされながら、少しずつでも地域社会へ根を張ってゆくことこそが、将棋の普及・発展につながってゆくことでしょう。

以上、とりとめのない文章になってしまいましたが、どうぞお許しください。まとまりなく申し訳ございませんが、横浜普及サミットと私がそこで感じたことでした。