読み応えのあるような記事がほとんどない最近のこのブログにも、毎日少なからずのアクセスをいただいているようでして、申し訳ない限りです。お越しいただきまして、まことにありがとうございます。

恐らく、生活文化普及支援事業(伝統文化親子教室事業)が将棋界で話題になっており、情報をお探しの方が多いのではと察しています。実は、このブログでも過去に何度か触れているのですが、過去ログをアサってくださいとお願いするのも酷ですし、繰り返しになるかもしれませんが、私のスタンスを述べたいと思います。

熟慮の末、私はこの事業とは関係ないとの結論に至りました。

普及には、次の2とおりがあると思います。
(1)将棋に興味を持ってくれた人の受け皿をつくる、将棋人口を増やす普及。
(2)既に将棋を楽しんでいる愛好家に、より高いレベルの将棋に触れる機会を提供するという普及。

普及指導員として私が行う意思があるのは上記(1)であり、日本将棋連盟が推進している親子教室は主に(2)です。
この事業は実務的には、支部や普及指導員が場を設定してプロ棋士を招くということになっていますので、実態としては既にそこに居る生徒さんと親に声をかけるということが多くなる。

もし目的が(1)であれば、むしろ支部の方や普及指導員が居ない地域でこういった企画が実施されるべきですが、そうではありません。

(1)を中心にしたほうがよいのだが、と、個人的には思います。(1)がうまくゆけば、(2)もおのずとついてくるはずだからです。逆に、(2)に注力しても、(1)への効果は小さい。

(1)を中心とした展開について、一例を示します。
将棋のルールを理解し(棋力は問わない)愛情をもって将棋と子供に接してくれるような方を全国津々浦々で募る。週1程度、お金のかからないような公民館等の施設で子供たちが集まれる場を確保してもらう。謝礼として、1回につき何千円かさしあげる。これなら、1億円もの予算なら、全国で相当の受け皿がつくれると思います(誤解なきよう。私自身はお金を絶対要求しません)。
問題点は、プロ棋士が関係なくなってしまうことで、それでは連盟としては取り組めないということも、理解します。

牙を失った、萎えた中年男でございます(笑)。何もできません。ただ、行徳公民館の部屋を週1度、開けて閉めるのみ。